両眼視

眼の度を測るとき,普通は片眼ずつ行いますが,実際に物を見るときは両眼を使っています。もちろんメガネも左右一組のレンズで成り立っているわけです。 人間に二つの眼があることは,それなりの重要性があり両眼で見ることによって「遠近感」「立体感」が都合よく行われることが出来るのです。 さて,左右の目の度数が決まったならば,必ず「両眼視テスト」を行うことが大切です。そこで両眼視機能とは何かを考えてみましょう。 眼前に小箱を置いてそれを両眼で見た場合,右眼では箱の右側面を見,左眼では箱の左面を見ているのですが「融像機能」によって脳内視中枢で左右の像が組み立てられ, また両眼の視線がある程度ズレを表す為に遠近感覚を得て箱に奥行きがあることが認識されます。 距離が非常に離れてくると両眼の視覚角度の違いが接近してしまい,遠近差を確認することが困難になります。 B図は両眼視の範囲を表すものでA~Bに囲われた外側の部分は片眼視となります。

融像作用を証明する方法としてC図,D図のようなものがあります。 C図は両眼の間に仕切板を設けて見させると,左右の眼には別々な箱の姿が見えるのですが,融像によって黄色のような形を認識をします。 次にD図はマッチ棒とマッチ箱とを別々に置いて,やはり仕切板をもうけて両眼視しますとはこの上にマッチ棒が乗っかった形に見えます。これも左右の目で別々に見ているものですが融像されてまとまった形となるからです。 以上のように両眼視ということが、視力の上に大きな影響力をもっていますから,メガネ作りの際に重要視することが大事となり,特に左右の眼の矯正視力に差のある場合には「両眼で見た時の率直な見え方」の出来るようにメガネを調整をしなければなりません。 したがって片眼の矯正視力がいかに良く回復しても,それで良いとしてはならないのです。メガネは両眼を開けて使うはずですから。