フィッティングの重要性

メガネ作りで大切なこと

メガネをなぜ使うか?そんな当たり前の事を言うのはおかしいと思うかもしれませんが,視力矯正用のメガネを使う人々はいずれも視力に何らかの欠落があるために 正常な視力を回復させようと願うがゆえに,その補助としてメガネまたはコンタクトレンズに頼ることになります。 よく見えるメガネが「良いメガネ」ではありません。快適に使えるメガネが「良いメガネ」なのです。それは医学的理由と光学的正しさが根拠となります。快適に使えるメガネを作るには,さて,どのようにしたら良いのでしょうか?

メガネの機能

メガネというものは『眼球+眼鏡』で初めて役割を果たすことができます。ということは眼の状態に適応させることが肝要となるわけです。 視力の動揺変化は眼球の器質的または病質的変化だけでなく,全身病や精神の安定にも関係してきます。 このような眼球自身の視能力に対し適当な光線屈折を司る役目をメガネが果たすとすれば,そこには「眼鏡光学」の立場がクローズアップされてきます。 眼鏡光学というとレンズに考えが片寄りがちとなりますが,レンズを保持するフレームが重要となってきます。 そのフレームは装用する人の顔型に応じて正しい姿でなければなりません。屈折異常に応じた矯正がレンズによって行われるのですが, 正しく行うためにはレンズが目的の位置に正確に保持されていなければ意味がありません。

加工の適・不適による性能差

メガネは工場完成品ではありません。メガネメーカーはパーツメーカーと解釈してもよいでしょう。 メガネを作るには使用者と対面して装用する人の眼の状態,顔型,使用目的,使用姿勢を十分理解しなければ適切なメガネは作れませんから メガネのメーカーは小売店ということになります。 よって,メガネを作る小売店の「配慮」と「技術」が物をいうことになり,加工と一口に言っても,玉摺りがきれいだとか,仕上げが見事だとか客観的な批判では意味がありません。 重要なのは加工段階において正しい工作が行われたか,レンズカットに手落ちはなかったか,フレームの顔合わせが十分に行われているかなどなのです。

フィッティングの重要性

メガネ作りの際の順序として,まず度数が決まり,次いでレンズの種類が決まり,フレームの選定が終わったとして,次は何がくるのでしょうか? それは,メガネの出来上がりの良し悪しの決め手となる「顔合せ」です。 顔合せが未熟であったら,いかに他が優れて出来ていても心地よいメガネにはなりません。そればかりでなく,肝心な光学効果が生み出せず「メガネの正しい使命」を果たすことは出来ないのです。 こう考えると,メガネ作りの中で一番重要なのは「フィッティング」ということになってきます。